概要
1 地域の実態、幼児・児童の実態等
- 宮城県北部に位置する美里町は、旧小牛田町と旧南郷町の合併により誕生した町である。遠く栗駒山や船形連峰を望む大崎耕土の中心をなすこの地域は、江合川や鳴瀬川により潤う田園地帯であり、古くから県内の鉄道交通の要所として発展してきた。
・聴覚支援学校小牛田校
・小牛田高等学園 - 当校は、昭和32年小牛田町北浦字二叉舌下に、宮城県立聾学校小牛田分校として開校した。昭和37年からは、宮城県立小牛田聾(ろう)学校として独立 開校した。26年間の独立校時代を経て、昭和63年、再び宮城県立ろう学校小牛田分校となった。平成7年4月1日に宮城県立ろう学校小牛田校と改称。
平成21年より宮城県立聴覚支援学校小牛田校と校名が変更となった。
同一敷地内には、宮城県立支援学校小牛田高等学園が設置されており、校庭、体育館、食堂等を共有している。 - 当校は、主に宮城県北部に在住する聴覚に障害のある子どもたちに、特別支援学校幼稚部教育要領及び特別支援学校小学部学習指導要領に基づきながら、幼稚園・小学校に準ずる教育を行っている。小学部を卒業すると、宮城県立聴覚支援学校仙台校に進学する子が多い。
昭和48年から続けている小牛田(美里)町立青生小学校との交流学習は、特色の一つである。平成12年からは、美里町立青生幼稚園とも交流活動を行っている(平成22年度からは、青生幼稚園の統廃合により、「ふどうどう幼稚園」との交流活動に切り替わった)。近年は、幼児・児童の居住地にある幼稚園や小学校との交流が盛んに行われ、地域の人々との交流を深め、成果をあげている。
2 学校教育目標
- 確かな日本語力を目指した言語指導の充実
- 基礎・基本の定着を目指した学習指導の充実
- 自己実現を支援する進路指導の充実
3 目指す子ども像
- 「豊かに正しく表現する子」
聴覚を最大限活用できる力と、手話を含めた多様なコミュニケーション手段を場に応じて活用できる言語力を育み、進んで自分を表現できる人間を育成する。 - 「元気な体と大きな心をもつ子」
障害に基づく種々の困難を改善・克服し、たくましく生きる健全な心身と公正な判断力をもった人間に育てる。 - 「積極的に取り組み、みんなと協調する子」
障害を正しく認識し、自己の主体性を確立し、周囲に積極的に働きかけながら粘り強く環境を切り拓くことができ、
相手の立場を理解・尊重し、奉仕の精神をもち、人と協調してよりよい社会の実現を目指し努力する人間を育成する。
4 各部の具体目標(小牛田校)
幼稚部 | 小学部 | |
豊かに正しく表現する子 |
自分の気持ちや思いを相手にしっかり 伝える子 ・日常生活に必要なことばを身に付ける。 ・経験したことや感じたことをことばで 表現し、相手に伝える。 |
ことばを正しく理解し,進んで学習に取り 組む子 ・相手に分かるようなコミュニケーション手段 で自分の考えや気持ちを伝える。 ・学習に必要な言語や基本的な語いを身に付け 生活に生かす。 ・学習の仕方が分かり、楽しく学習する。 |
元気な体と大きな心を持つ子 |
元気に体を動かし、よく考える子
・進んで体を動かし、元気に遊ぶ。 ・良いことと悪いことが分かる。 |
強い体と心を持って、たくましく生活でき る子 ・健康に気をつけ、進んで運動し体力を高める。 ・よく考え、良いこと悪いことの判断をして行 動する。 |
積極的に取り組み、みんなと 協調する子 |
進んで活動し、友達と仲良く遊ぶ子 ・様々な事象に興味や関心を持ち、身近 な環境や自然などに進んで関わる。 ・約束や決まりを守って遊ぶ。 |
積極的に行動し、友達と仲良くできる子 ・様々な体験を通して、自分の興味・関心を 広げる。 ・自分の障害を理解し、自信を持って行動する。 ・相手の気持ちを考えて行動し、友達と仲良く する。 |
5 経営の方針
- 常に教育的使命感と研究心を持って質の高い教育を目指し、聴覚障害教育の専門性を高めると共に、教育全般に関わる研修を推進する。
- 個々の障害の状態や発達段階及び幼児児童のニーズに応じた教育の充実に向けて、各学部間の連携を密にし、教育の一貫性を図る。
- 保護者や関係機関、学校近隣及び幼児児童の居住する地域社会との連携を深め、開かれた学校づくりに努める。
- 宮城県全域において、聴覚障害教育のセンター的機能の役割を果たすと共に、聴覚障害の理解啓発に努める。
- 進路への興味関心を引き出す教育活動や情報提供に努め、進路指導の充実を図る。
6 今年度の重点目標
〈学習指導〉
- 多様なコミュニケーション手段が活用できるよう教室環境を整備し、日本語力向上を図るための言語指導を推進する。
- 個別の教育支援計画及び個別の指導計画に基づき、基礎学力の定着・伸長を目指した確かな指導を、家庭との連携のもと進める。
〈生活・進路指導〉 - 保護者との情報の共有に努め、外部専門家とも連携しながら心と体の健康作りを推進する。
- 志教育の視点に立ち、幼児児童・保護者の就労意識を高めるなど、年齢や発達段階に応じたキャリア教育を充実させる。
- 〈学校運営〉
- 聴覚障害教育に係る専門性の向上と指導力の向上を目指し、研修を充実させる。
- 聴覚障害教育のセンター的機能を発揮しながら、幼児児童及び保護者のニーズに応じた早期支援・就学支援を充実させる。